わが家の周りに池も田んぼも無い。
けれど、田植えの頃、田んぼに水が張られると、いっせいに蛙の合唱がこだましてくる。
今はもう、にぎやかな声は聞かれぬ季節。
ところが、夜となく昼となく、グエグエ、ゲーゲと低音の太い声がごく近くから聞こえてくる。たぶん蛙。
数日前、車を出そうと近づいたら、手のひらほどの大きさの茶色の蛙がいた。
グエグエの主はあいつか?
どこかの池からあがって散歩にでも出かけたのか?違う世界を見たいと探検にでも?昔話に、好奇心旺盛な蛙が出てくるのがあるが…。
思い当たる池は蛙の足ではずいぶんと遠い。
タイヤで引き潰してはタイヘンだと、靴の先で追いやれば、ノソリバサリと草の陰へ。
その後、まだ探検が続いているのか?迷って草むらから出られなくなったのか?
ボボ―、ホーホーと鳩が鳴く。
ゲーゲ、グエグエと蛙が鳴く。
美声とは言えないが、春、夏さえずっていた鴬やヒグラシ蝉に交代して、これもわが家のにぎわい。
蛙は雑木林で生きられるのだろうか?
このまま冬眠に入れるのだろうか?
春、畑を掘ったらノソリと蛙が出てきたことがあった。

春に畑に鍬を入れると、時々蛙がのそっと、冬眠を妨げたような、おぼつかない足取りで逃げていきます。
蛙は何処にでもいるようですね。
手のひらの大きさとは、ヒキガエルかな?