栗がはじけ、豆がふくらみ、芋が熟す。
秋は次々とおいしいものが実る。
なに一つ作っていない私のところへいろいろと届けてくださる。届けていただいたものは鮮度の良いうちに加工したいので、連日、終日、皮をむいたり、あくを抜いたり、つぶしたり、こねたり、固めたり。ああだこうだの作業が続く。
この秋いちばん珍しかったのは、紫色のさつま芋。
紫芋チップスというものを食べたことはあるが、紫芋を手にするのは初めてのこと。
土のついた芋は紫というわけでもないが、端を切ってみるとなんとも濃い紫色。
食欲がそそられる色ではない。
いただいたからにはおいしく食べたい。
さて、どうして食べる?煮るか、蒸かすか?
他の具材といっしょに煮ると紫は際立つな~。主菜につけあわすといっても、難しい。紫は。
単独で味わうために、ようかんを作ることにした。
輪切りにして水にさらすと水が紫に染まる。染め物ができそうだ。
水にさらした紫芋を茹で、砂糖とひとつまみの塩を加えて練り上げる。
容器にギュギュと押さえ込むように詰め、冷蔵庫に入れた。
翌朝、どれどれ?と容器を逆さにして底をトントン叩いて中身を落とし出した。
寒天も入れてないが固まっている。
舌触りもなめらかな紫色のようかんができた。
紫という色がやっぱり気になる。
小さなともだち、3歳のタクミくんがこの前、おともだちや家族と掘ってきてくれたお芋もようかんにした。
紫色と黄金色のちょっといい感じのようかんができた。