キセンボー

サカトンブリなんていうことばを何十年ぶりかに聞いて懐かしかった。てっきり、この地方独特の方言だと思っていたが、ちゃんと広辞苑に出ていた。
では、では、「 サンコにしとります。のサンコはどうだ?」、「 キセンボーはどうだ?」思いつくままの声があがった。
「 サンコにしなさんな 」と叱られた。キセンボーを振り回して少年たちはチャンバラをしていた。
そういえば、ウチの家はサンコなものだった、となつかしい情景が思い出されて頬がゆるむ。サンコは散らかるの意味である。
山道を友人と歩いていたとき、友人が「 どこかに手頃なキセンボーが落ちてないかしらん 」とつぶやいた。
えっ?キセンボー?そうそうキセンボー。手頃なキセンボー、同年輩の者にはどれぐらいのものか何となく解る。杖にする枝を探しているのだ。
何でキセンボーなのか?キは機、センは先、ボーは棒、つまり機先を制する棒=先手を打つ棒なのだと説明する人がいた。それほど大層な意味だろうか。
チャンバラは先制攻撃が大事、上等のキセンボーが要るのか?
山道を歩けば、目の前に蛇がトグロを巻いていることもある。頭上にはトゲのある枝が覆い被さってくることもある。そんなときに先手を打って振り舞わすからキセンボーなのか?
サンコは広辞苑では見つからなかった。
三五は当てはまらぬか?三々五々は?まばら、という意味。サンコはまばらではないなあ。
でもしかし、サカトンブリが歌舞伎のトンボを切るにも通じるように、キセンボーは機先を制する。サンコは三々五々。
ちゃんとした由緒正しいことばなのかも知れないなあ。

「キセンボー」への3件のフィードバック

  1. サンコ→撒粉(粉を撒いたような?)、蚕の子(葉の上をバラバラ這い回っている様子?)、キセンボー→キナンボー(佐渡の方言)に似ていますね。漢字なら「木先棒、木尖棒?」(適度に細くて柔らかい棒の意か?)かなあ。
    丹波だけの方言ですかね。図書館に「京言葉辞典」があれば、載っているかも…。言葉は豊かで面白い。

  2. 新年おめでとうございます。年賀状をありがとうございました。初日の出を見に清水寺まで行ってきました。主人が「小学校の時はここが遠足やった。」て言うので、「私もそやった、行きしは真面目に歩いて帰りは部落ごとに帰ったから田んぼで遊びよったなあ。」「わしら辰巳まで歩いて帰りよったんや。」て言うので、そりゃ大変やったやろ、今の子どもらよう歩かへんやろなあ・・・と話ました。帰ってさっそくブログを見せていただき、サカトンブリもキセンボーも「さんこ」もとてもなつかしかったです。
    今日は元旦、昔をふり返った日でした。今年もよろしくお願いします。m(_ _)m

    1. 新年おめでとうございます。年賀状をありがとうございました。初日の出を見に清水寺まで行ってきました。主人が「小学校の時はここが遠足やった。」て言うので、「私もそやった、行きしは真面目に歩いて帰りは部落ごとに帰ったから田んぼで遊びよったなあ。」「わしら辰巳まで歩いて帰りよったんや。」て言うので、そりゃ大変やったやろ、今の子どもらよう歩かへんやろなあ・・・と話ました。帰ってさっそくブログを見せていただき、サカトンブリもキセンボーも「さんこ」もとてもなつかしかったです。
      今日は元旦、昔をふり返った日でした。今年もよろしくお願いします。m(_ _)m

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