若葉

山のコブシ、桜も終わり、若葉、新緑がまぶしい日。
許しを得て、今は無人の家の山椒を摘ませてもらった。
近くも遠くにも人の姿はない。
ただ、ホーホケキョ、チーッチッチ、コロコロと鳥や蛙の泣き声が聞こえるばかり。
高校卒業まで暮らした地である。
かつて、昭和30年代―、
同じ時期に山椒の新芽を摘む人の姿が遠く近くに見えた。田畑にもいつも誰かしらの働く姿があった。
土手の土筆、タンポポをひとにぎり摘むこどもたちがいた。畦や川辺を走るこどもたちの歓声がこだましていた。
いま、この里の小学生は2人だと聞いた。

「若葉」への2件のフィードバック

  1. 野山を駆け巡った子供の頃の情景が浮かんできます。
    田舎に生まれ、都会で働き、今また子供時代の想い出を語る。
    ほぼ同年代としてわかるゆえほのぼのとした気持ちになれる文です。

  2. 久々のサイト訪問です。新緑の篠山、ぶんあんの作品展も開催中ですね。明日(日)レンタカーでそちら方面に行こうかな~~、と夫も。息子(もうすぐ伊丹空港につくのでお迎えに・・・。)と3人で伺う予定です。お会いできますように!

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