いまでこそ

今日もまた、わらびを摘んだ。ひとつかみ。ありがたいなーと思いながら。
太陽と雨と風が育ててくれたものを毎日のように摘み取り、30分後には食膳にある。
山椒にしても、蕗にしても、肥料もやらず、水が足らぬか?と問うてもやらず、自然のままに生え出て来たものを摘み取っては食べている。
こんな暮らしを近年になって、ありがたいと思うようになった。
血気盛んというか、いろいろな欲もあった頃は、季節のものだから、せっかく生えているのだから、年に一度ぐらいは味わってみるか…という程のこと。
まして、こどもの頃は土筆もたんぽぽもイタドリも、さんざん摘んで、摘むことに飽きたらポンと土手に投げ捨ててしまっていた。摘み散らかし、蹴散らかしの有り様であった。
こどもは無邪気、無垢ですかー?
わたしなど、田んぼからオタマジャクシをすくっては地面にぶつけて遊んでました。
男の子は蛇を木の枝に引っ掛けて、こわがる子たちを追いかけまわし、あげくには枝ごとぶん投げていた。
こどもは残酷ですよ。
いまになって、白髪の媼となって、ヤモリもゲジゲジも見つければ戸外へ出してやり、わらびも蕗も摘みながら、うれしいな、ありがたいなーと口に出る。
ムカデなどはいまでもやっぱり、みつけしだいやっつけねば!と思っているけれど。

「いまでこそ」への1件のフィードバック

  1. 先日、身の程もわきまえず評論家的発言に対し失礼をお詫びしたところ
    →快く、遠慮なさらない様にとのありがたい返信を頂いた。
    単純な性格なのでいい気分になったがそれでも先輩は失礼だから同級
    生の様な気分で今回も楽しい文ゆえコメントさせてただくことにする。
    今回も読みながら自然に「わかる、わかる。うん、うん。そうだ、そうだ。
    が口に出る。そして最後に同じくやっぱりと頷く。楽しいなぁ!

Zinitiro Shirai へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。