そろそろ鳴き始めてもよい時間なのに聞こえてこない。
年齢のせいか、早朝に目覚めることがしばしばとなった。
ヒグラシ蝉に起こされることもあれば、ヒグラシよりも先に目覚めて、鳴き始めるのを待っていることもある。
雨降りでもなければ、４時40分ごろには一匹が鳴き始め、やがて、ケケケ、キョキョキョ、カナカナカナ…と林の中を駆け巡るように輪唱が始まるのに、今朝は５時になっても鳴かぬ。
５時15分…、遠くで鳴いているようだ。
未明の林に30分間に及んで響きわたったかん高い鳴き音ではない。
遠くから、微かに、鳴くのが聞こえてくる。それも10分間ほどで止んでしまった。
ヒグラシの鳴く夏の朝は終わったのか？
小さな緑色の虫、たぶんキリギリスが３匹、チョン、チョンと畳の上を飛び回っている。
子供の頃が浮かんでくる。秋になりいつかわからないのにいつの間にか蝉の声が聞こえなくなったと
ふと気づいた思い出だ。畳の上にキリギリス？それもキリギリスではなかった。スイチョンでもない。
名前が知りたくて図鑑で見るがわからない。キリギリスより小さくてスマート、外から飛んできて良く
畳の上で跳ねて捕まえた。鳴き声はしなかった。猪は経験がなくコメントは出来なかった。