黄色いドレス

回覧板を届けてくださった。
おかあさんの後ろから小さな手が突き出た。ことちゃんがお手紙をくれた。
ことちゃんはわが家での作文教室に通って来ている。
今日は教室の日ではない。おかあさんにくっついてやって来た。
二つ折りのピンクの紙の中にお手紙。
「ピアノの発表会に見にきてくれてありがとう」のタイトル。
グランドピアノの横に女の子が立っている。髪にはリボンが飾られている。
客席にはたくさんの椅子が並べられて、”マエナカさん”が座っている椅子もある。
急いで描いたのか?色が塗ってない。

発表会にはまだ日があった頃、ことちゃんは家に届いたドレスのことが気になって作文が手につかなかった。
いつもなら、作文を書き上げて、感想を言ってもらって、おやつを食べた後も一番最後まで残って遊んでいるのだけれど、まだ終わりの時刻になっていないのに、おかあさんのお迎えも待たず、そそくさと帰って行った。
それほどにうれしかったドレスは優しい色合いの黄色のドレスで、ことちゃんによく似合っていた。
初めて出演した昨年は連弾であった。
今年はメヌエットを独奏である。
1年の成長はめざましいものがあった。
2回目の発表会なので赤い花を2輪包んでもらって贈った。
さあ、この先、何本まで贈ることができるだろう。

「黄色いドレス」への1件のフィードバック

  1. 3ヵ月に1回歯医者さんに定期検診して貰っている。インプラントで有名な先生である。
    48歳でまだ若くハーバード大のインプラントコースでも最優秀賞を受賞している。
    開業してすぐに紹介され通ったのでもう9年で友達の様にお互い話す。
    先生に和子さんから頂いた書の写真を見せた。ほのぼのとする良い字ですねと言った。
    やはり先生も同じですかと今日は自分が褒められたような気分だった。

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