新年

年賀状が届いた。
ひとくふうありの賀状に頬がゆるむ。心があたたかくなる。
電話やメールや、ハガキも手紙も、たびたびのやりとりはあっても、年賀状はひと味違う。
いつものハガキよりも、メールよりも、文章は少ないし、一行だけだったりするけれど、年賀状は格別の便りだなあ。
年賀状だけのおつきあいになった方もある。
出会ったのはずうっと前のこと。それ以後、なかなかお会いできないが、年賀状を出し、年賀状をいただくたびにお顔を思い浮かべる。

父は80歳を過ぎてもたくさんの年賀状を書いていた。
12月に入ると、暖かい日は縁側で、寒い日はストーブのある部屋で、ゆっくりと毛筆でしたためていた。
筆先が不揃いになった古い筆にもお構いなしで、ポツリポツリとした文字を連ねていた。
まだ生きています、という挨拶だと言いながら。

父を見倣って、というわけではないが、わたしも年賀状を毛筆で書く。
25日までに出しましょうとテレビで呼びかける。
何枚も書き損じながら、ようやく書き上げた。
初めて、締切日までに間に合った。

「新年」への2件のフィードバック

  1. 新年明けましておめでとうございます!
    今年もよろしくお願いいたします。

    お正月は暖かく迎えられたことでしょう!
    年賀状、毎年のことですが切羽詰まらないと書けなくて、スマホで漢字を確かめながら、読めても書けない漢字です。
    年賀状、頂くのも出すのも楽しみです。

    今年も紙と筆と言葉を使って、輝いてください。

  2. 新年おめでとうございます。「新年」の投稿をされたのは存じ上げていたのですが、新年のバタバタ、コメントも差し上げないまま日が経ってしまいました。私は書や、絵が得意でなく20歳の半ばから1年の出来事等を盛り込んだ五七調(寅さん調)の文字だけの賀状を約45年間、作成してきました。詰まらぬ賀状ですが数年後こんな時代だったなぁと笑えるかと思い、下手な文ではあるので毎年止めようと思いながらも続けてきました。新年ですから和子さんの福笑いの一つになればと長文で申し訳ないのですが賀状を転写させていただきます。なお、2行目~9行目は五七調でお読みください。
    「平成二十七年賀状文」
    新年おめでとうございます。お健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
     さて、昨年のニッポンは 尖閣諸島に入り込む中国船に イライラの国民理解も得なが
    らも、 「集団的自衛権」、歴代内閣大テーマ なんとか決定となりました。一方、慰安婦
    問題でギスギス深まる韓国とすり寄る気配の北朝鮮、解決できる目途見えず外交多難
    の年でした。   ドキッとしたのはデング熱、それより怖いエボラ熱、海外からの侵入に
    島国日本も緊張の 非常態勢でありました。  逆に世界が注目は大発見かと思われた
    STAP細胞の成行きと号泣県議の低レベル、 真実なのか誤魔化しか笑うに笑えぬ事で
    した。  高いレベルはノーベ賞、日本の学者が三人もLED(青色)の開発で物理学での
    受賞には日本人の高頭脳、またまた評価を受けました。
    受賞と言えば流行語「ダメよ~ダメダメ」言いながら「いいじゃ~ないの~」を待っている。
    キッパリ NOと言えない日本人との陰口も心しなければならない様です。
    本年は未年、フワフワした羊毛を刈られた時でも「ありのままの姿をみせるのよ、少しも
    寒くないわ」 とヒツジにも笑われぬよう努力の年にしたいものです。
    皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。            平成二十七年 元旦

ぷぷ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。