日溜まり

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「お尻が見えたので寄ったよ―」
いつもの道を走っていたら、日溜まりの中で小豆を選別中のそでちゃんを見かけた。
そでちゃんなんて親しく呼んでいるけれど、わたしよりも年上である。
この里で暮らし始めた当初に声をかけてもらって以来、何かと心頼みにさせてもらっている。

昔は里のどの家にも縁側があった。
縁側には豆が干されたり、布団が広げてあったり、繕い物をしている人の姿があった。
田畑へと向かう人が通りがかりに立ち寄り、腰をおろして一服していた。
いつ頃からか、縁側にはガラス戸が入り、カーテンが引かれている。
縁側でひと仕事をする人、憩う人、おはじきをするこどもたちの姿が無くなった。

いつもの道を通りながら、畑にそでちゃんの姿を見かけることがあるが、たいていは作業中なので、ちょっと頭を下げて通りすぎる。
上々の日差しに背を向けて小豆を選別中のそでちゃんの様子が、なんとなくゆったりとして見えたので、車を停めて声をかけた。

たくさんの柚子をいただいた。今秋はじめての柚子である。緑の色が少し残った瑞々しい黄色の柚子を高い枝から切り取っていただいた。
5個ばかりジャムにした。
香りが満ちた。

「日溜まり」への2件のフィードバック

  1. そでちゃんの姿がっきりと見えてきて、のどかな感じです。
    我が家のゆずは、もう少し我慢です。
    あと一週間ぐらいかかりそうね。

    pcからのコメントです。

  2. 昨年、何十年ぶりに佐渡の柚子が実をつけた。30年以上は経っている気がする。
    切り倒そうかとも考えたが剪定してみたら初めて実をつけた。今年は帰省してみると
    沢山の実をつけ高さは3m~4mにも伸びていた。こんどは伸びすぎて大変だ。
    新潟では佐潟という所がある。ラムサール条約があり白鳥も沢山来る。
    ここでは時々、立ち寄り、心地よい風を受けハーブ茶を楽しむ。帰りにハーブ店の店主から柚子を頂いた。
    家に帰り佐渡から貰ったワカメや大根に柚子と酢の物にした。柚子の香りと味が素晴らしかった。

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