雲海

20151117_073049

カーテンを開けたら、遥かの峠に霧が溜まっていた。
両側の山がポコリポコリと浮かび上がっている。秋が深まった頃にときおり見られる現象だ。
「雲海が見えるよ~」、
四国から来て滞在中の妹を呼び起こす。
妹は、写生帖、水を入れた小さなバケツ、筆や絵の具を手早くまとめて玄関を出ていった。
刻々と変化する霧の情景を見ながら筆を走らせる。
絵を描くのが苦手なわたしは、タイミング良く雲海が発生したことを喜びながら、妹の傍らで絵ができあがっていくのを見ていた。

妹は、ふるさとの秋を数枚描いて四国へ帰った。
数日後、雲海の絵をコピー機で縮小したハガキが届いた。

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