里の春

20160406_120317

今年は山のコブシがことのほか多いと言えば、あれはコブシではなくてタムシバですと必ず訂正してくれる人がいる。
ニオイコブシという別名もあるようだし、図鑑で見てもさして変わらぬ。
なので、里の多くの人が呼ぶように、わたしもコブシと呼ぶ、と決めたのだけれど、いつも、ひとことふたこと、言い訳、解釈をしてしまうことになる。
ともあれ、いつもの年より数日早くコブシを見つけた。
白い花は朝に夕に増え続け、山肌に斑点のように広がった。
山にコブシが多い年は何かあるのでしょう?これもいつも交わされる会話である。夏、日照りが続くという人もあれば、大水が出るという説もある。
いったいどっちなのだろう?
確かめもせず、コブシが咲けば、また同じ会話が繰り返される。
わが家の裏山にも、こんなにあったか?と驚くほど、今年はたくさん咲いた。
桜の開花宣言も早かった。
けれど、ミゾレが降る日もあったりで、花の見頃は例年とさほど変わらず、4月に入ってからになった。
山のコブシ、川辺の桜、畑に桃の花、庭に椿…。木の根元あたりには、水仙、小さなすみれ、たんぽぽが。
踊り子草も群れて咲き、鶯がのど自慢、歌自慢を競っている。
つい先日、引っ越して来られたお隣さんが、「小鳥の声で目が覚めるなんて…」とおっしゃる。
里は、ぐる~りと春景色である。

「里の春」への2件のフィードバック

  1. 和子さんと知り合ったのもこのコブシかタムシバかの投稿を見つけたお蔭だ。
    いつもコブシが咲く頃には多くの方にこの話が出来るようになった。
    まだまだタムシバの名前を知らない人がいるから話は毎年続きそうだ。
    知らない人との出会いや繋がりは思わぬ所から起きるが、同級生の友は
    コブシ一本やりでタムシバの事を忘れているようだ。
    だが私には大事な繋がりが出来たタムシバは忘れることはないだろう。

  2. こぶしの別名って沢山あるんですね、調べて初めて知りました。
    さつきやみつばつつじが咲き始めましたよ!
    眩しい季節ですね!

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