20160511_090450

しとしと雨があがって月の無い夜。
こんな日はきっとたくさん舞っているだろうな~。
蛍を見に行く。
田んぼと林の間の一筋の道。道沿いに家は無い。前にも後ろにも車の明かりは見えない。
生まれ育った集落ではあるが、ちょっと心が落ち着かぬ。
小さな星の光と蛙の声とせせらぎの音。
ふわりふわりと舞い上がり、舞い落ちる蛍。
年を経て山姥のごとき身となっても、一人、闇夜の蛍見物は心はずむものではない。
こどもの頃、蛍見物はおとなに連れられて4人、5人いっしょに歩いて行った。
こどもだけで夜に出かけることは無かった。蛍見物か盆踊りに親たちが連れ出してくれるときに限った。
高校生ともなれば、学校帰りが遅い日もあった。
月明かりならくっきりと道は浮かび上がったし、月が無くても、ぼんやりほの白い道をペダルをこいだ。
たまに、向かいから背後から自転車の軋む音が近づいても、きっと同じ集落の人だったから、怖いなんて思いもなかった…。

「蛍」への2件のフィードバック

  1. 一人で見る蛍は少し寂しけど、
    なんやかんや言いながら何人かで見る蛍も楽しみです。
    蛍は自分のことが一生懸命で、人間なんて気にもならないでしょうが。
    この時期でないと見られないもの、一回はみたいと。

  2. 夏が近づくと子供時代一番の思い出はホタルです。田舎、それも農村地帯でしたからホタルと空の天の川の
    美しさは格別でした。特に蛍は籠に入れ夜は蚊帳の中で楽しみました。近くのジュンサイ池はホタルを
    育てるのに懸命ですがなかなか上手くいかない様です。今でもホタルが楽しめる場所は羨ましい限りです。

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