腰痛から神経痛となり、立つにも座るにも、歩くにも、車の乗り降りにも、イテテ、アイタタと声が出る。
治療院通いの日々である。車で片道20分、施術に20分。鍼や電気や牽引や…、毎日、ほぼ同じことの繰り返しである。
いっこうに痛みが軽くならないのに焦れて、「先生、この治療法が最善だとお考えでしょうか?」などと問うてしまった。
「そう思っています」おだやかに答えられた。
鬱々として、おそらく顔つきもムッツリとして通い続けた。
ある日、「先生、体が軽いです。痛みがやわらぎました」と告げるや、「やった!」日頃の雰囲気からは思いもよらぬ声を聞いた。
痛みは日によって軽いこともあれば、鈍痛が辛いときもありで、なかなかカラリと晴れやかな日は訪れないが、「やった!」のひとことを聞いてからは、先生これからもどうかよろしくお願いします―と心から思っている。
