一年中、果物や野菜でジャムを作っている。
できるかぎりこの山里、地元の素材で作りたい。
このあたり、大規模に果物や野菜を作っておられる農家というものはないので、春には春の、夏には夏の野菜、果物だけが手に入るのがいいと思っている。
それも、季節の訪れは遅れがちである。都会のスーパーやデパートにいち早く季節の訪れを知らせる果物が並んだとしても、この里ではまだまだ先になる。
ようやくイチゴが店にならび始めた。
格別、粒ぞろいのみごとなイチゴがパックに詰められているわけでもない。値段はとても安い。
かなり小粒ではあるが、待っていた地元産である。3パック買ってきた。1パックに約300グラム入っている。
いく粒か味わって、あとはジャムにした。
イチゴと砂糖とレモン。ふつふつと沸き立つ。あくをすくう。イチゴの粒を残したままとろりと煮詰まってくる。
これからの季節、梅が実り、トマトが赤くなるのが待ち遠しい。
トマト、柿、柚子、人参のジャムもいい。みんな、この里で芽吹き、熟す。
ジャムを煮ているとき、家の中にはあまずっぱい匂いが満ちる。
前中和子さん
覚えていますか。関学の文化総部にいた平野裕幸です。
大学を卒業して40年以上が経ちますが、前中さんの温かい笑顔は今も覚えています。
友達が丹波篠山の出身でいろいろなお話をしていて、、前中さんを思い出しました。
ジャムもきっと笑顔のジャムなのでしょう。
またお話を聞かせて頂ければと思います。