氷雨ならず春の雨が一晩やわらかに降っていた。そのせいか、前日には見なかった白い花が向かいの山に点々と見える。
コブシと言いたいがタムシバという名前なんだそうです。
なんとも語感が気に入らない。ずうっと、あれはコブシだと親や村の老人にも聞かされていた。
青空の下、山に咲く白い花はコブシでなければならぬ…。あの名作歌謡、北国の春で春待つ人々の心に鮮やかな印象を刻んでいるのがコブシである。
この山里でも毎年3月終わりの頃、まずポツリポツリと山肌に白い点が現れ、翌日にはバラバラと白い布を撒いたように散らばっていく。
咲いた、ようやく春が来た。今年は例年よりいっそう山が白い。いや、今年は少ないようだ。必ず里の人々の話題になる。
いつの頃だったか、この町の広報誌で、あれはコブシにあらずタムシバです、との解説を読んだ。
コブシと思い続けてきたもので、タムシバですと解説されても、ああ、聞きたくなかった…と思うばかり。
図鑑などによれば、タムシバは、” 噛む柴 ”、葉っぱを噛むと甘いのだそうだ。タムシバよりもカムシバのほうがまだマシか!?
ニオイコブシという別名もあるようだ。決めた!これにしよう。
これからいちいち、コブシと思っていたけれど実はタムシバという名前で、などと注釈言い訳をせず、コブシが咲いたと言うことにする。
コブシが咲いて、山里に春が来た。
丘の上の温泉の露天風呂の縁では、温泉の熱に温められてか、里よりも早く桜が咲いていた。
高校同級生でFacebookの仲間の川上君に前中和子さんのタムシバとコブシのブログを教えてあげた。前中さんの考えと全く同じだと喜んでいた。Facebookに登録ならそちらで見てもらおうと思ったが登録して無い様で残念。今日は前中和子さんバンザイ!といっているのでこっそりお伝えしよととメールいたしました。