春はむしがいっぱい、と一人が書くと、もう一人も同じことを書く。
楽しげに描く絵(作文教室なのに…)にしても、目パッチリ、長い髪の女の子、空には太陽という構図が同じになる。
ひとつの机で隣り合い、向かい合わせに座っている。
あ、その子カワイイ、その色いいな!と、同じ色が塗りたくなって、同じ情景を描きたくなるようだ。
作文も、春、むし…と書き始めると、わたしだって虫を見たもン、わたしも書く、となるのか、ついつい、同じ文章になってしまう。
春になったら出てくるのは虫だけ?とちょっと誘導する。
鳥がいる。蝶々も、と書くようになる。
うったり、と書いた。うっとりではなくて、うったりである。なるほどそれもいいなあ。
やがて、次から次へとことばが出る。筆が走りだす。
ふだんはノートに鉛筆で書いている。たまに毛筆で大きな字を書くようにすすめると、面白いらしくて、準備しておいたさまざまなサイズの紙にどんどん書いていく。
床一面に敷き詰めた新聞紙に墨汁たっぷりに書いた作品が並ぶ。
あったかいようで
すずしいようで
わからないけど
ちょうどいいくらいだね りこ・1年生
さくらの下は
パーティみたいに
とってもにぎやか はなり・2年生
人は、ポカポカできれいだよ
人は、にこにこ いろは・2年生
のはらの草の上で
ねころんで
うったりしよう ことみ・2年生
新しい
ステップ たかあき・4年生
詩人たちの作品がたくさん生まれた。
春休みにご家族のみなさんに見ていただこう、と準備中である。
●作文教室の作品展は 3月25日~3月31日 1時~5時 場所: ぶんあん
以前お邪魔した遊び文遊び字を思い出します。
裏山の小道を散策しながら、言葉をさがしました。
子らの素直な言葉にほっとしますし、新聞紙はいいアイディアですね!
子供にしか言えない言葉と感受性。だけどこの言葉を幾つになっても言ってみたくなる。