夏の朝

4時半、ひぐらし蝉に起こされた。
ひぐらしだけの斉唱から、やがてニイニイ蝉も加わってニイニイ、カナカナ…にぎやかな朝の歌が響き渡る。
ひぐらしは空が明るくなると鳴き止む。日がな一日鳴き騒ぐニイニイ蝉やアブラ蝉とは異なり、未明に鳴き、空かき曇れば夕立の急襲を告げて鳴き、黄昏が近づくころに鳴く。
夏本番ともなれば、ひぐらしに目を覚まされても二度寝ができるが、今朝はひぐらしが鳴き止むころにムクリ起き出した。
雨戸を繰れば網戸に蝉が4匹くっついていた。つまみとって放すとジッと鳴き、ミッと鳴いて飛び立った。
気まぐれに早朝の林を歩く。
色褪せた紫陽花を切り取ってみる。付くか付かぬかわからないけれど、プスプスと土に挿す。
こんなふうに挿しておくと、たまーに根付いて花も咲く。
きちんと資料を読んで挿し木の時期、肥料のことなど上手に世話をしてやれば成功率も良いのだろうが、気まぐれ気ままにクシャクシャと挿すだけなのでたまに育ってくれるだけ。
早朝のことでさすがにひんやりとして気持ちが良い。
まだ7時前。
近所のFさんが来られた。いつも玄関の取っ手に野菜の入った袋を掛けてメモを入れておいてくださる。今朝に限ってわたしが早起きして戸外に居るのに驚かれたようだ。
手渡された袋には、胡瓜、ピーマン、ミニトマトが入っていた。
朝7時過ぎには近隣の人から電話がかかるし訪れもある。
夏場は7時よりさらに早くなる。

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