声も出さずにうずくまった小さな背中がもっと小さくなってる。
周りの大人は誰も急かさず、じっと待っていた。わずかな時間だったかもしれない。
とてもいい時間だった。
青い空に一片の雲も無く、白や黄色や緑の若葉が柔らかに萌える4月最後の日曜日。
山の上のお宮の前で祭り恒例のこども相撲が始まった。
かわいいともだち、タクミくん。昨年も一昨年も出場した。お相撲が何だかわからなかったあかちゃんの頃から出ている。
この春から幼稚園児である。ガンバルゾ―、って思っていただろうな、きっと。
でも、あれれ?ぼく、負けたのかな?転んだわけではないけれど…。
なんだか立てなくなっちゃった。
顔うつむけてしゃがみこんだ小さな体が、悔しそうで、残念そうで。
無念の思いをかみしめている姿、とても頼もしかったよ!